日税不動産鑑定士会 会の調査研究


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日税不動産鑑定士会の研究と刊行物は

 本書は、相続税・贈与税における土地の適正な評価を巡り問題やトラブルが生じた場合に、どのように解決すればよいか実務解説したものです。
 編者は、現在、第一線で業務に携わっている税理士と不動産鑑定士の両方の資格を有する執筆陣です。日頃から不動産評価について税務と鑑定との接点について研究し、問題点をどうしたらより妥当な解決が図れるかを検討しています。
 具体的には、税務通達どおり評価して申告するのか、それとも鑑定評価に求めて申告した方が有利なのかを判断するための材料となることを目的にしたものです。あるいは課税当局なり不服審判所、裁判所の納得を得るにはどのような鑑定評価を記述すればよいのか判断の手掛りを提供するものといってもよいでしょう。
 項目は、実務で使いやすくするために、財産評価基本通達に沿って重要なものを選んで、構成は、基本的に税務評価と鑑定評価を対比して解説をすすめています。  ここに目次等の内容の一部をご紹介します。

【はしがき】  【本書を読まれる前に】  【目次】  【書評】
土地の税務評価と鑑定評価
土地の税務評価と鑑定評価
日税不動産鑑定士会 編
3,200円(税別)

【はしがき ―本書の刊行にあたり―】
 われわれ日税不動産鑑定士会は,税理士でもあり,不動産鑑定士でもある士が集まって昭和46年(1971年)に設立した団体です。会員は,その二つの資格で,あるときは税務申告を,またあるときは不動産鑑定評価もしていますが,双方の資格を総合的に求められる税務に関する不動産の評価でも,その特質を発揮しています。また,毎月の研修会では,不動産についての税務評価と鑑定評価との接点について研修,検討を続けています。
 その成果の一つとして,昭和50年から「継続地代の実態調べ」を3年ごとに行い刊行しています。鑑定業界での貴重な資料とされているばかりでなく,地代紛争解決のため,裁判所における調停にも重視され,また,経済白書にも引用されるなど一つの指針を与えてきました。
 近時,相続税や贈与税での不動産評価,さらに所得税,法人税等での適正な譲渡価額など税務に関する不動産の鑑定評価の依頼も増えています。
 そこで,税務での評価はこうなっているが鑑定評価ではどうなっているのか,ということを解説し,どういう局面でどのような不動産鑑定評価書を依頼したらよいのか,また,税務当局を納得させるには,そして,争いになったときは審判官に理解していただくために,どのような内容を持った鑑定評価書をいかに記述すればよいのか ―― そのような見地から研修会の研究に基づいて本書を刊行しました。
 不動産税制も,不動産鑑定理論も,不動産の動きにつれて時々刻々と変動しています。この変動に応じ,そして,読者のご批判などを吸収して,さらに新たな研究を通じ,次の版ではより充実したものを刊行したいと念じております。
平成17年6月1日
日税不動産鑑定士会 会長 中根 宏
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【本書を読まれる前に】
「土地の税務評価と鑑定評価」本書を読まれる前に

(一)
 相続税,贈与税における土地・建物の評価は,一般には国税庁長官の定めた財産評価基本通達によることとされている。しかし,この通達は,土地・建物の種別・類型別に標準的な評価方法を定めているが,個々の土地・建物の現状はさらに複雑多岐にわたっており,実際では,それぞれの実状に即した精密な調査に基づいた評価が求められるときがある。
(二)
 市街地地域土地の税務評価においては,各街路に路線価が付設され,その基準となる標準地は不動産鑑定士の鑑定評価によって求めている。しかし,その標準地が適正な価格を表示していたとしても,それと比較して求められたその街路の全部の路線価が適正なものとはいえない。もっとも,各国税局が管内にある市街地のすべての街路について,毎年,限られた人員,費用と時間で路線価を付設しなければならない現状をみれば,その中に適正でない路線価があったとしても責めるのは酷であり,それは大量一括評価の宿命と諦観しなければならないのであろう。
 また,各宅地の画地条件等による補正率が,普通住宅地区あるいは商業地区などの地区の要因を考えてその種別ごとに基本通達で定められているが,日本全国一律の補正率となっている。しかし,例えば,普通商業地区の角地の補正率は,東京都区と多摩地区,さらに,北は北海道から南は沖縄まで同じ率なのであろうか。確かに,一律に定めることにより,評価者の恣意性は防げるという意味はあるし,実質的公平はともかく形式的な公平は保たれるという側面はある。
 そのようなことを配慮してか,路線価の標準地の価格は,おおむね公示価格水準の8割となっており,各宅地の課税評価額が相続税法で規定している「時価」を超えないように配慮している。
 しかし,昭和60年代の頃のように,路線価が公示価格水準の4〜6割程度であった時には,かなり大まかな評価基準であったとしても,「時価」を超えることはなかった。しかし,路線価が公示価格水準の8割まで接近すると,路線価と財産評価基準での画地補正率どおりに算定すると,「時価」を超える価額が算定される場合がある。そしてそれを立証し,「時価」を求めるときには,不動産鑑定評価が必要となる。
(三)
 われわれ日税不動産鑑定士会の会員は,税理士と不動産鑑定士の二つの業務に携わりながら,上述した局面での税務評価をも行ってきた。また,昭和46年の会の設立以来,毎月,研修会を開催してこれらの難問について研究発表をし侃々諤々の討議を通じて研鑽を重ねてきた。
 その過程のなかで,税務職員,国税不服審判官そして裁判官を納得させるためには,まず,評価通達を十分に理解したうえで,これの方々を納得させ得る不動産鑑定評価書を作成することで必要であるとの共同認識に達した。
 こうした趣旨をふまえて,本書は,財産評価基本通達の主要な条項を選び,同通達の配列順に掲げ,まず,[税務評価では]で通達の実務的解説をし,それを理解したうえで[鑑定評価では]を読んでいただく構成とした。
 税理士の方には,この両方を見比べて通達どおりの評価で申告したらよいか,不動産鑑定評価を求めてその価額で申告した方が納税者に対してより有利かの判断を助けるように,できるだけ試みたつもりである。
 また,鑑定評価の依頼を受けた不動産鑑定士の方には,まず[税務評価では]を読んでいただき,課税当局がどのように考えているかを理解して,どのように記述すれば,課税当局なり国税不服審判官や,裁判官の納得を得られかを工夫していただきたい。
 もちろん,それについて,まず最初に是否認を判断する税務職員から,不服審査の裁決を下す国税不服審判所審判官,あるいは裁判官の方々にも参考としていただきたいし,これに対する弁護士の方にも参考にしていただきたい
 本書の執筆にあたり,本会研修会などをとおして検討を経たものだが,本会の結論というものではなく,執筆者の個人的意見であることを付記しておく。
平成17年6月1日
日税不動産鑑定士会 研修委員長  鵜野和夫
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【目 次】
※無断掲載・複製禁止
土地の税務評価と鑑定評価

− 目  次 −


第1章   総        則   
   1 評価の原則(評基通1) ------------------------ 2
   2 共有財産(評基通2) ------------------------ 7
   3 区分所有財産(評基通3) ------------------------12
第2章   土地および土地の上に存する権利  
   1 評価単位(評基通7-2) ------------------------20
   2 路線価(評基通14) ------------------------29
   3 特定路線価(評基通14-3) ------------------------33
   4 側方路線影響加算(評基通16) ------------------------57
   5 三方または四方路線影響加算(評基通18) ------------------------61
   6 不整形地の評価(評基通20) ------------------------71
   7 無道路地の評価(評基通20-2) ------------------------89
   8 がけ地等を有する宅地の評価(評基通20-4) ------------------------99
   9 容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の評価(評基通20-5) -----------------------108
   10 倍率方式による評価(評基通21-2) -----------------------114
   11 大規模工場用地の評価(評基通22,22-2,22-3) -----------------------118
   12 余剰容積率の移転がある場合の宅地の評価(評基通23) -----------------------121
   13 私道の用に供されている宅地の評価(評基通24) -----------------------126
   14 土地区画整理事業施行地内の土地の評価(評基通24-2) -----------------------136
   15 広大地の評価(評基通24-4) -----------------------140
   16 セットバックを必要とする宅地の評価(評基通24-6) -----------------------146
   17 都市計画道路予定区域内の宅地の評価(評基通24-7) -----------------------150
   18 貸宅地の評価(評基通25) -----------------------154
   19 貸家建付地の評価(評基通26) -----------------------160
   20 借地権の評価(評基通27) -----------------------162
   21 定期借地権等の評価(評基通27-2) -----------------------169
   22 区分地上権に準ずる地役権の評価(評基通27-5) -----------------------184
   23 市街地周辺農地の評価(評基通34〜39) -----------------------186
   24 市街地農地の評価(評基通40) -----------------------190
   25 生産緑地の評価(評基通40-2) -----------------------195
   26 市街地山林の評価(評基通49) -----------------------199
   27 雑種地の評価(評基通82) -----------------------203
   28 ゴルフ場の用に供する土地の評価(評基通83) -----------------------210
   29 利用価値の著しく低下している土地の評価 -----------------------212
   30 遺跡のある土地の評価 -----------------------218
   31 土壌汚染のある土地の鑑定評価 -----------------------228
   32 日影規制等により建築物に制限を受ける場合の土地の評価 -----------------------242
   33 使用貸借関係にある土地の評価 -----------------------247
   34 通常の地代の簡便的計算方法 -----------------------255
   35 土地と建築物を一括譲渡した場合の譲渡価額の区分 -----------------------258
第3章   特殊な評価  
   1 競売における不動産の評価と鑑定評価との関連 -----------------------268
   2 民事再生法における不動産の評価 -----------------------277
付録  役立つ情報源一覧   
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【書 評】
(社)東京都不動産鑑定士協会 会報「かんていTOKYO」2005年9月号に掲載

 近年、相続税や贈与税での不動産評価、さらには所得税、法人税等での適正な譲渡価格の算定など税務に関する不動産の鑑定評価の依頼が増えています。本書は、相続税・贈与税等における土地の適正な評価を巡り問題やトラブルが生じた場合、どのように解決すべきかという実務的問題を分かりやすく解説しています。
 よく問題や争いとなる論点としては「税務上の時価」と「鑑定評価の正常価格」の認識の違いですが、税務での評価は大量一括処理という宿命ゆえ、個別不動産の適正な市場価値を判定する鑑定評価とはその根本的な視点が異なることはやむを得ないことです。
 したがって、我々不動産鑑定士としては、税務評価と鑑定評価の違いを理解し、どのような局面で鑑定評価を依頼されるのか、もし依頼された場合は税務当局に納得してもらうためにどのような内容の鑑定評価書を作成したらよいかを十分理解しておく必要があり、本書はそのような実務的なよりどころをうまく解説しています。鑑定士としての一般知識に留まらず、税理士や公認会計士などの他の専門家集団とコラボレートした業務を展開している方々にとっては、税務の問題を鑑定評価によって解決できる道筋を付けてあげるという積極的戦略展開にも必ずや役に立つと思われます。

【本書に関する問合せ先と販売価格】

(株)中央経済社
〒101-0051 千代田区神田神保町1-31-2 TEL 03-3293-3371(編集部)

『土地の税務評価と鑑定評価』 (平成17年発行)
販売価格:3,200円(税別)


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「下崎 寛 事務所」  TEL 03-5348-4631 FAX 03-5348-6865